ただ、そこにあるだけで「ほほう」と見入り、
手を触れたくなり美しいなと思うものがあります。
美しいだけでなく少ーし感心したり。

最近のそんな風に感じて手にとってしまうものは
主に製作をする為の材料だったりするんです。

身近なところにそのモノ達があるのって、
そんなモノ達に囲まれているって幸せな事かもしれませんね。

作るのが好きな人や作っている人は作る事は
もちろんかもしれませんが素材がとても好きだったり
愛おしかったりするんでしょう。

麻糸

と云う事で…今日は麻を紡いだ糸。
今、ワタシが住んでいる京都の山奥ですが、
祖母が子供の頃のこの地域はどこの家でも麻の栽培をしていたそう。

麻を育て、ある程度の背の高さになると
根ごと麻を引き抜く。

根を切り、束にして縛ったものをそれはそれは大きな樽に入れて蒸す。
それを川に投げ入れ冷やすと祖母などの子供達は
その皮を一生懸命に剥いたそう。
根元へ手をすべらせると麻の皮が手元に残り、
麻殻がピュ−ッと飛んでいく。
その光景や手ごたえが楽しくて面白くて
大好きな作業だったそう。
その後はまた中身の抜けたその皮を束にして、
あくを入れた窯でたく。
それを竹で擦っていくと段々と白くなっていき、
白くなったものを川でまたしごいて細くする…。

その後の行程はおばあさん達や母親達の
冬の仕事だったそうで口に皮を加え、
手で裂きながらもっともっと細くし1本1本繋いで紡いでいく…..。

こんな沢山の行程があって左のような美しい糸が出来上がる。
そんな話を聞きながら改めてまた「ほほう」となる。
話の途中に祖母が仏壇の右奥から長い麻がらを
取り出してきた、(麻の糸にならない部分)
このおがら(麻殻)は仏様の御飯をよそう時のお箸にするらしい。

またまた「ほほう」です。


------------------------------------------------------------------------
  • BROWSE / IN 2002-2006 Aterier Column
  • » Aterier 2
Return to Top