そんな言葉で迎えられながらも、滞在先に向かって車を走らせる。
すぐそこだから。という言葉とは反面、割と車は走り続ける。

車の中では何故、彼がこの街を醜い街と呼ぶのかから始まり、
フィンランドの事はもちろん、フィンランド人である私の恩師ことまでと話は弾む。
恩師に今、伝えられない分、恩師にはすごく感謝しているのだ。ということを
フィンランド人である彼に力強く伝えてしまった。
そうして話をしていると、彼は、車を降りる前にどうしても
私に聞いておきたい事があると言い出した。
何故、日本人の観光客(おじさんは)はカメラを幾つも首から
ぶらさげているのか…。
あまりにもありがちな(昔からカメラを幾つもかけ、そして眼鏡をかける
日本人男性の絵を見る、映画にも出てくるくらいだ)質問に
苦笑しつつ、私も持ってきているカメラは一つじゃないよ。と
典型的な日本人像を壊さない自分に照れ笑いしながらも
素直に告白してみる。
とにかく、思いつくままに、それは何故なんだろう。という談義をする。
割と適当なことを答えたかもしれないが、日本の人は(男性は)そんなに休みも
取れる訳では無いから、旅行した時のことを一生の?思い出に撮っておきたくて
よく写真を撮るのかも。というのが彼と私の結論に。
それでそれは大事な事なのでカメラもひとつではダメなのかな…と。
でも、結局最後には彼の中の答えはひとつの単純な結論に
まとまったみたいだった。
そんなおおげさに言うことではないのだけれど….
“あーなんて日本人はカメラが好きなんだ!!
君たち日本人はカメラを愛してやまないんだなあ。”とハンドルを
半ば叩きながら、でも満面の笑みを浮かべて言った。
とりあえず、彼の写真を彼のオンボロ車と一緒に1枚撮っておいた。
そして、ようやく滞在先に到着する。
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