港に着くとまずはお腹を満たすために屋台で、
フィンランドの定番であろう、小魚のフライと
ピラフ、そしてサラダが付け合わせになっているプレートを3つ注文する。
普段、魚もほとんど食べない私達は少し躊躇しながらも
久々の魚だねー旅のイベントだね、なんて言いながら食べる。
海から吹きあげる風は冷たいけれど、やっぱり空の下で食べる食事は気持ちが良い。

早々に食べ終わった息子はカモメを追いかけて遊びに行ってしまう。

私とマホ氏はたくさんの魚にたっぷり時間をかけ、
今日の出来事について語りあったりし、穏やかな時間を楽しみ始めていた。

そこで、ふと20代後半の1人の男が私達のテーブルの側を往復しているのに気付く…が
気付かない振りをしながら食事を続ける。

しばらくし、男は意を決したのか、私たちが声をかけてくる事を
諦めたのか、私たちの席にさっと座り、”君たちどこの人?
なにしてるの?”と話しかけてきた。

なんとなく怪訝に思いつつも、私たちはヘルシンキの人ってほんっとフレンドリーね?!と
その場をやり過ごそうとしたが彼は元々私たちの友達だったかのように居座った。
そして、実は最初からそれが言いたかったのだろう、彼は私のカメラを指差し話はじめた。

”君たちに僕の写真を撮らせてあげるよ。”

それがいかに私達にとって、スペシャルで幸運な出来事なんだと、
説得するかのように、彼はしつこく私達に言い続けた。

”是非、僕の写真をたくさん撮っていきなよ。ヘルシンキの男である僕の写真をさ!”

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