
ヘルシンキの港で出会ったユニークな男の話…
”君たちに僕の写真を撮らせてあげるよ。”
”是非、僕の写真をたくさん撮っていきなよ。
ヘルシンキの男である僕の写真をさ!”

彼は少しの恥じらいも見せずに私たちにそう言い続ける。
“日本の友達に見せれるよ”
“お母さんに送りなよ”とか”君たちの滞在先で撮ってくれてもいいんだよ”とか、
とにかく意味が分からない、写真を撮るメリットを私たちに並べたてた。
私たちは困惑しながら、遠慮がちに…しかしはっきりと
断るが彼は”こんな申し出をことわるなんて信じられない!
ヘルシンキの男の写真だよ!なぜ撮らない!?とアピールする。
ただの変わった男なのか、もしくは、これは普通なのか…?
それとも私たちは本当に喜ぶべきであろう恩恵にさずかっているのか?
私たちの方がちょっと変わっているのか?と色々考えてもみるが、
説得しつつもシャツの裾をさりげなく上げながら
自分の身体を見せつける彼に閉口した。
どう、考えてもただのフレンドリーな人じゃないよねと
マホ氏と目で会話し、遊びに行ってしまった息子の姿を同時に確認する。
そして、私たちはもう行かなきゃいけないから!と
プレートを下げながら席を立ち息子を迎えに歩き始めた。
息子の手をとり、どっと疲れを感じながらも後ろを振り返ると
彼はまだこちらを見ている。
目が合った瞬間に彼は大きな声で一言、
“僕はヘルシンキの男なんだぞー!”と私たちに告げた。
そして、この出来事を始め、ヘルシンキに滞在するその後も、
私とマホ氏は”ヘルシンキの男”について考える事になる。
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